2020年9月28日、渋谷のさくらホール。
その日のセットリストには僕のオリジナルだけでなく、カバー曲もふんだんに盛り込んでいました。
全国のファンの皆さんのおかげで『月枕』が初めてのゴールドディスクに認定していただけたものの、本当の意味での大ヒット曲、代表曲といえる曲を生み出せていない自分に多少のジレンマを抱えつつ、まだまだ発展途上の身、様々な曲にチャレンジして自分の歩みをお客様に見守っていただけたらと夢中で歌っていました。
そしてその日のステージを偶然見届けて下さったのが、作曲家の幸耕平先生。
久しぶりに竹島のステージを見ようとご来場下さり、コンサート終了後、何やらうちの社長と、あるカバー曲の僕の歌唱で意見が一致したようで、2、3言交わした後、直ぐに事務所に戻られ、瞬く間に書き上げて下さった曲が、『プラハの橋』でした。
「竹島宏にはどこか文学の香りがするような、ドラマチックな歌詞を歌わせよう。」
との当時の制作チームの思いから山田ひろし先生に作詞を依頼。
アレンジはポップスの坂本昌之先生の魔法で、歌の物語のスケールを更に大きくして下さいました。
その『プラハの橋』を偶然に耳にして下さった今回のプロデューサーさんが、「この歌をミュージカルにしたい!」と思い立って下さったことから、今日に至ります。
まだ本読みを2回終えたばかりですから実感を伴っていない部分もありますが、今日のチェコ大使館での記者会見を終えた今、改めて、今回『プラハの橋』という楽曲を、そして竹島宏を選んで下さった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
あらすじを読んでいただいて、どんな物語なのか?それぞれの役どころは?等、頭の中がクエスチョンマークでいっぱいの方もいらっしゃるかも知れませんが、本番をご覧いただけましたら、想像をはるかに超えるその物語性に、皆さん必ず感動していただけると思います。
脚本・演出の田尾下さんがおっしゃったのは"大人の物語"を作ろうという狙いがあったこと。
そのことについては、宮川彬良先生も会見でおっしゃっていました。宮川先生がミュージカルのために書き下ろされた極上のメロディーは、聴く人の心を優しく包み込んで下さると思います。
ちなみに、僕が初めてNHK『歌謡コンサート』に出していただいた時、音合わせでデビュー曲の『いいもんだいいもんだ』を歌い終えた時、真っ先にあたたかいアドバイスを下さったのは宮川彬良先生のお父様、宮川泰先生でした。
あれから20年以上経った今、またこうして"初めて"の時に宮川家の皆さまにお世話なっている・・・嬉しいご縁をいただきました。
そして、僕にとっては芸能界の大先輩であり、レジェンドともいえるお二人の庄野真代さん、宍戸開さんとご一緒させていただけることは、竹島宏の今後の歌手人生においてとても大切で大きな学び、財産になると思います。
心から尊敬するお二人の先輩方に見守っていただきながら、表現者としての自分の可能性を広げ、しっかり磨き続けて参りたいと思います。
今はまだミュージカル初挑戦の僕が皆さんの足を引っ張るであろうことは手に取るようにわかりますが、千秋楽を迎える頃には、「竹島くん頑張ったね!成長したね!」と言っていただけるよう、精一杯、体当たりでつとめる所存です。
お客様にもあたたかいお心で応援していただけましたら幸いです。
リリックプロデュース公演
『ミュージカル プラハの橋』
【出演】
アンディ 竹島 宏
ローズ 庄野真代
マルク 宍戸 開
【作曲・編曲】
宮川 彬良
【脚本・演出】
田尾下 哲
【作詞】
安田 佑子
【演奏】
ピアノ 宮川 知子
ヴァイオリン 森 由利子
バンドネオン 鈴木 崇朗
《敬略称》
2025年1月7日(火)〜13日(月・祝)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
2025年2月10日(月)〜11日(火・祝)
京都劇場
皆さんのご来場、心よりお待ちしております!!